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出席扱いになると成績はつく?通知表・評定・所見の扱い

公開日:2026/09/26 更新日:2026/09/26 文:とどけ帳(運営:Qalbra)

家での学習が出席扱いになったら、成績はつくのでしょうか。通知表が空欄になるのでは、と心配している保護者の方もいると思います。

この記事では、文部科学省の通知と、令和6年の学校教育法施行規則の改正をもとに、成績の扱いを整理します。出席扱いの要件や相談の流れは、出席扱いとは(要件と相談の流れ)にまとめています。

先にポイントをまとめます。

  • 出席扱いと成績評価は、それぞれの要件で別々に判断されます。
  • 出席扱いになっても、すべての教科に評定がつくとは限りません。
  • 評定をつけるのが難しい教科も、所見欄に文章で書くなど、適切な記載に努めることが求められています。

どちらも、判断するのは在籍する学校です。この記事の内容で、成績がつくことが約束されるわけではありません。

出席扱いと成績評価の関係

出席扱いは、学校の外や自宅で学んだ日を、指導要録の「出席」に数えることです。指導要録とは、学校が子ども一人ひとりの出欠や成績を記録する、公式の書類です。成績評価は、学んだ成果を教科の成績に反映することです。似ていますが、根拠も要件も別になっています。

出席扱い成績評価への反映
変わるところ指導要録の出席日数指導要録の観点別評価・評定・所見など
主な根拠令和元年の通知(別記1・別記2)令和6年の省令・告示と、その通知
主な要件保護者と学校の連携、対面指導、計画的な学習など学習の計画・内容が教育課程に照らして適切であることなど3つ
判断校長学校

出席扱いでも、成績に反映されるとは限らない

自宅でのICT学習の出席扱いを定めた別記2は、出席扱いと評価への反映の両方を「できる」としています。ICTとは、パソコンやタブレット、インターネットなどのことです。ただ、別記2の別紙(Q&A)には、次のように書かれています。

出席扱いとした場合,必ずその成果を評価に反映しなければならないわけではありません

評価に反映するには、学習の計画や内容が、在籍校の教育課程に照らして適切と判断される必要があります(別記2の要件7)。教育課程とは、学校が学年ごとに定めている、学習の内容と計画のことです。

出席扱いは、成績評価の要件に入っていない

令和6年の告示が定める成績評価の要件は、3つです(下で説明します)。その中に「出席扱いになっていること」は入っていません。

告示と同じ日に出た成績評価の通知も、出欠の扱いは「引き続き令和元年通知に基づき対応する」としています。出席扱いは出席扱い、成績評価は成績評価の要件で判断する、という整理です。

そのため、出席扱いになっていない期間の学習でも、要件を満たせば成績評価で考慮されることがあります。反対に、出席扱いになっていても、成績の材料が足りないこともあります。学校には、出席扱いと成績を分けて聞くと話が整理しやすくなります。

指導要録・通知表・調査書のちがい

成績が書かれる書類は、1つではありません。似た名前の書類を整理しておきます。

書類どんなものか成績との関係
指導要録校長が作る、学籍と指導の記録。法令にもとづく書類出欠、観点別評価、評定、所見などを学年ごとに記録する
通知表学校が子どもと保護者に、学習の様子を伝えるもの形や書く内容は、学校ごとに異なる
調査書中学校から高校などに進むとき、校長が進学先に送る書類。内申書とも呼ばれる指導要録をもとに作られる

指導要録の作成は、学校教育法施行規則の第24条で校長に求められています。平成31年の学習評価の通知は、指導要録を「法令に基づく文書」としています。一方、通知表については「学校が定めるいわゆる通知表」と書いています。

調査書は、施行規則の第78条で、校長が進学先の校長に送るものとされています。高校入試での調査書の扱いは、不登校の中学生の内申点と高校受験で整理しています。

評定がつく場合・文章で記述する場合

学校の成績には、おもに2つの形があります。

  • 観点別学習状況の評価:教科ごとに、3つの観点で学習の状況をみる評価です。観点は「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」です。指導要録では、A・B・Cの3段階で記入します。
  • 評定:教科ごとの学習の状況を、まとめて評価するものです。指導要録では、小学校は3段階、中学校の必修教科は5段階で記入します。小学校の評定は、3年生以上です。

3つの観点は平成31年の学習評価の通知に、記入のしかたはその別紙(小学校・中学校)に書かれています。通知表での表し方は、学校によって違うことがあります。

すべての教科に評定がつくとは限らない

令和6年の成績評価の通知は、次のような場合があるとしています。

  • 一部の教科で、在籍する学年より下の学年の学習をしていて、告示の要件を満たしていない
  • 要件を満たしていても、十分な評価の材料が提出されていない

そのため、すべての教科・観点で、観点別評価や評定を記載することは必ずしも求められない、としています。要件を満たす教科には評定がつき、ほかの教科は文章で書く、ということもありえます。

評定がつかないときは、所見欄に文章で

評定などをつけるのが難しい場合も、何も書かなくてよいわけではありません。通知は、指導要録の所見欄に学習の状況を文章で書くなど、適切な記載に努めるよう求めています。次の年度からの指導に生かすための記載です。

指導要録には、「総合所見及び指導上参考となる諸事項」という欄があります。各教科の学習に関する所見などを、箇条書きなどで短く書く欄です。

通知表で伝えることも「考えられる」

成績評価の通知は、通知表などで、本人や保護者に学習の成果を伝えることも「考えられる」としています。学校・教育委員会等向けリーフレットでも、評価の結果を積極的に伝えることには意義がある、としています。

リーフレットには、教育支援センターでWeb教材を使って学んだ子の例があります。学校は、学習計画の実施状況やWeb教材の学習履歴、振り返りカードなどをもとに出席扱いとしました。あわせて、該当する教科の観点別評価を指導要録に反映し、通知表で本人と保護者に伝えています。

ただ、通知は、通知表での具体的な書き方までは示していません。評定を書くのか、文章で書くのかは学校ごとに異なるので、確認してください。

全国では、どのくらい反映されている?

令和6年度の文部科学省の調査によると、欠席中の学習の成果を指導要録に反映した小・中学生は、81,467人 でした(調査結果の概要(PDF))。

反映した人数うち観点別評価・評定等うち総合所見など
小学校22,889人16,535人19,737人
中学校58,578人49,418人45,459人
合計81,467人65,953人65,196人

内訳の2つは重なりがあり、足すと全体の人数を上回ります。評定などに反映された子も、所見の欄に書かれた子も、どちらも多くいることがわかります。

令和6年の施行規則改正

令和6年8月29日、成績評価についての省令と告示が公布され、同じ日に施行されました。省令は、法律にもとづいて大臣が定めるきまりです。告示は、国が決めた内容を公に示すものです。

  • 学校教育法施行規則の一部を改正する省令(令和6年文部科学省令第24号)
  • 不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果を成績に反映する場合を定める告示(令和6年文部科学省告示第127号)

同じ日には、文部科学省から通知も出ています。「不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果に係る成績評価について(通知)」(6文科初第1126号)です。

何が変わったのか

改正で、学校教育法施行規則の第57条に第2項が加わりました。不登校で長く欠席した子の成績評価で、欠席中に行った学習の成果を「考慮することができる」という規定です。小学校の規定ですが、中学校などにも準用されます。

ただし、これは新しい制度ができたというより、令和元年の通知の内容を法令ではっきりさせたものです。通知も「令和元年通知の内容を法令上明確化するもの」と説明しています。改正の前から、不登校の子の成績評価は可能でした。

告示で定められた3つの要件

成績に反映するには、次の3つをすべて満たす必要があります(要約)。

  1. 学習の計画・内容が、在籍校の教育課程に照らして適切と認められること
  2. 学校と、保護者や教育支援センター・民間団体等の職員との間に、十分な連携協力の関係があること。学校が、保護者等を通じて学習の状況を定期的・継続的に把握していること
  3. 学校が、訪問による対面指導などで子どもの状況を定期的・継続的に把握し、子どもと学校との適切な関わりを続けるよう留意していること

教育支援センターは、教育委員会などが設ける、不登校の子のための学びと相談の場です。対面指導とは、先生などが子どもと直接会って関わることです。通知は、自宅でのICT学習を成績評価するときの対面指導にもふれています。原則として、訪問などで定期的・継続的に、対面の相談・指導を行うことが望まれる、としています。そのうえで、対面が難しい子には、ICTを使った相談・指導も可能だとしています。

対象になる子・ならない子

対象は、小・中学校(義務教育学校、特別支援学校の小学部・中学部なども含む)の不登校の子です。「年間30日以上の欠席」は一つの参考で、不登校かどうかは学校か設置者が判断します。不登校の傾向がみられる子も、対象になりえます。

一方、保護者の教育の考え方によって、正当な理由なく登校していない子は、この省令の対象にならないとされています。また、高校は、この省令の対象外です。高校には、学校が教育上有益と認めるときに、自宅などで通信教育を受けて単位をとれる、別の仕組みがあります(施行規則第88条の4)。

知っておきたい留意事項

通知には、ほかにも保護者が知っておきたい点があります。

  • 把握の頻度:学習の状況を把握する頻度は、各学校が判断します。最低限、通知表などの時期(例えば学期ごと)に合わせた把握が必要だとしています。
  • 校内教育支援センター:校内教育支援センターは、学校の中の、教室とは別の場所です。こうした場所で先生などから相談・指導を受けている子は、省令によらず、登校したものとして成績評価できるとしています。
  • 長引かせないこと:成績評価を行うときも、不登校の期間が必要以上に長くなることを助長しないよう留意する、としています。

家庭の記録が評価の材料になる

告示の要件2にあるとおり、学校は保護者等を通じて、家での学習の様子を知ります。先生は、家での毎日の学習を見られません。家庭の記録や報告は、評価の材料の一つになります。

どんなものが材料になるか

別記2の別紙は、民間の教材やインターネットの学習システムを使う場合の評価について書いています。教材の学習履歴や学習時間、確認テストの結果などをもとに評価することも考えられる、とされています。

成績評価の通知と概要には、次のような取組例が載っています(概要(PDF))。

  • 1人1台端末で、学校の授業にオンラインで参加した子の学習成果を成績に反映
  • 学校から届いたプリントや、実技教科の作成キット等で学んだ成果を反映
  • フリースクールが定期的に報告書を出し、学校の課題や定期テスト等に取り組んだ子の成果を反映
  • 教育支援センターの職員が保護者と連携して、eラーニング教材での学習状況を学校に共有し、成果を反映

家庭でできること

家庭では、次のようなものを残しておくと、学校が評価を考えるときの手がかりになります。

  • 日付・教科・時間・内容(教材名や単元)
  • 教材の学習履歴や、確認テストの正解数
  • 学校のプリントや課題に取り組んだ記録と、仕上げたもの
  • 絵や工作、調べ学習などの作品(写真でも)
  • 本人の振り返りの言葉

教科の名前は、学校の教科名に合わせておくと、教育課程と照らし合わせやすくなります。記録のつけ方は学校に伝わる学習記録のつけ方、計画の立て方は出席扱いの学習計画の立て方で紹介しています。

記録を学校に出すときは、報告書の形にまとめると、先生が読みやすくなります。観点を意識した書き方や記入例は、【記入例つき】 学習状況報告書の書き方で紹介しています。

ただし、評価をつけるのは学校です。記録を出せば評定がつく、というものではありません。

学校に確認したいこと

成績の扱いは、学校や自治体によって違うことがあります。学期の途中で、次のようなことを確認しておくと安心です。

成績評価のしくみ

  1. 成績評価の基準はあるか:学校や教育委員会に、不登校の子の成績評価についての考え方や基準があるか。
  2. どの教科を評価の対象にするか:評定がつきそうな教科と、文章で書く教科の見通し。
  3. 何を材料にするか:プリント、課題、テスト、教材の学習履歴、作品など、何を評価の材料にするか。

家庭から出すもの

  1. 何を、いつまでに出すか:学期末の成績をつける前の、締め切りの目安。
  2. どんな形で出すか:学校の様式があるか。紙かメールか、面談のときに渡すか。
  3. テストや課題を家で受けられるか:定期テストや提出物を、家や別室で取り組めるか。
  4. 実技教科はどうするか:音楽・美術・体育・技術・家庭などを、家でどう学べばよいか。

評価のあと

  1. 評定がつかない教科の書き方:所見欄などに、どのように書かれるか。
  2. 通知表にどう載るか:評定、文章、別紙など、通知表での伝え方。
  3. 面談や対面指導の予定:誰が、どのくらいの間隔で本人と関わるか。

中学生の場合は、評定や出席日数が調査書にどうつながるかも、あわせて聞いておくとよいでしょう。高校入試での扱いは、内申点と高校受験の記事にまとめています。

学習の内容が下の学年のものなら、そのことも正直に伝えてください。通知は、下の学年の学習をしている教科を、告示の要件を満たさない例として挙げています。それでも、文章で様子を書いてもらえることはあります。今の学年の学習にどうつなげるか、学校と相談してみてください。

記録から報告書まで、とどけ帳で

とどけ帳は、毎日の学習記録から、学校に出す報告書の下書きをAIがつくるアプリです。学期末の前に記録をまとめておくと、成績の相談の材料をそろえやすくなります。


参考資料