小・中学校の不登校児童生徒数は、令和6年度に 353,970人 と過去最多になりました(文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」)。学校に行けない期間があっても、家や学校の外で学んだことを「出席」として扱える制度があることは、まだあまり知られていません。
この記事では、文部科学省の通知をもとに、保護者が知っておきたいポイントを整理します。
出席扱いとは
不登校の児童生徒が、学校外の施設で相談・指導を受けていたり、自宅でICT等を活用した学習活動を行っていたりする場合に、一定の要件を満たせば、校長の判断で指導要録上「出席」として扱うことができる という制度です。出席扱いとなった日数は、指導要録の出席日数に計上されます。
根拠となっているのは、文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)です。令和8年4月には、保護者・学校向けのリーフレット「不登校児童生徒の出席扱い・成績評価について」も公開されています。
大きく2つのパターンがあります
| パターン | 例 | 主なポイント |
|---|---|---|
| 学校外の施設で相談・指導を受ける | 教育支援センター、フリースクールなど | 施設への通所・入所が前提。民間施設の場合は校長と教育委員会が適切かどうかを判断 |
| 自宅でICT等を活用して学習する | タブレット教材、オンライン授業、学校からの授業配信など | 下の7つの要件をすべて満たすことが必要 |
自宅学習が出席扱いになる7つの要件
文部科学省の通知では、自宅でICT等を活用した学習活動を出席扱いとする要件として、次の7つが示されています(要約)。
- 保護者と学校との間に、十分な連携・協力関係が保たれていること
- ICT等を活用した学習活動であること(コンピュータやインターネット、遠隔教育システム、郵送やFAXなど)
- 訪問等による対面指導が、適切に行われることを前提とすること(学習支援や将来の自立に向けた支援が、定期的かつ継続的に行われること)
- 本人の学習の理解の程度をふまえた、計画的な学習プログラムであること
- 校長が、対面指導や学習活動の状況等を十分に把握していること(対面指導にあたる人から定期的に報告を受けるなど)
- 基本的に、学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けられないような場合に行う学習活動であること
- 学習活動の成果を評価に反映する場合は、学校が把握した学習の計画や内容が、その学校の教育課程に照らして適切と判断されること
このうち、保護者の協力が特に大きいのが 1・4・5 です。学校が「どんな計画で、何を、どのくらい学んでいるか」を把握できるように、学習の記録や報告を継続的に共有することが求められます。
成績評価にも反映できます
出席扱いとした場合、学習の成果を成績評価に反映することもできます。文部科学省は、必ずしもすべての教科・観点について評定をつける必要はなく、学習状況を文章で記述するなど、適切な記載をすることが重要 としています。
中学生の場合、成績や出席日数は高校受験の調査書(内申書)にも関わります。早めに学校と相談しておくと安心です。
相談の流れ(例)
- 担任の先生に相談の時間をもらう:電話や連絡帳で「家での学習について相談したい」と伝えます。
- 家での学習の様子と計画を伝える:使っている教材、1日の過ごし方、これまでの学習記録を用意しておくと話が進みやすくなります。
- 報告の方法を決める:学習記録を週1回または月1回提出する、面談や家庭訪問の頻度を決めるなど、学校と具体的に取り決めます。
- 記録を続けて、定期的に報告する:学習の記録と本人の振り返りを継続して共有します。
- 学期ごとに振り返る:出席扱いの日数や成績評価について確認し、計画を見直します。
判断基準は学校や自治体によって異なります。使っている教材だけで自動的に出席扱いになるわけではなく、最終的に判断するのは校長 である点に注意してください。
保護者の負担を減らすために
要件の中心にあるのは「学校が状況を把握できること」です。毎日の学習をそのつど細かく書き残すのは大変ですが、日付・教科・時間・内容・本人の言葉 の5つがあれば、学校に伝わる報告書をつくれます。
とどけ帳では、1日30秒の記録から、学校に提出できる学習状況報告書や、はじめての相談で使える依頼文の下書きをAIがつくります。教材の種類は問いません。
参考資料
- 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)
- 文部科学省「不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」
- 文部科学省「不登校児童生徒の出席扱い・成績評価について」リーフレット(令和8年4月)
- 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」